「第26回岡本太郎現代芸術賞(TARO賞)」
2023/2/18-4/18
川崎市岡本太郎美術館(神奈川県)
1954年、岡本太郎43歳のときに出版された『今日の芸術』。この本には「時代を創造する者は誰か」というサブタイトルがつけられていました。1996年、岡本太郎没、享年84歳。その直後、岡本太郎記念現代芸術大賞(2006年岡本太郎現代芸術賞に改称)、通称「TARO賞」が創設されました。彼の遺志を継ぎ、まさに「時代を創造する者は誰か」を問うための賞。今年で26回目をむかえた本賞では、595点の応募があり、厳正な審査の結果、23名(組)が入選を果たしました。
(「TARO賞」紹介文より)

2022年に発表した《ひとつに還れたなら》をさらに大きくしたプランが入選したため、大きさを大きく、更に絵も加筆したものを展示しました。
ひとつに還れたなら | May all return to One
2023
H5000×W5000×D5000mm
和紙、墨、胡粉、砂、岩絵具、石、他
Japanese paper, ink, whitewash, mineral pigments, stones, etc
どうか還るべきところへ、還れますように。
私にとって制作は、本来の地点へ還るための手段である。その地点は、私たちが形をもち、それぞれになる前。個であるものが何もなく、すべてがひとつとなって満ちている。
目の前の世界では、個人間での小さな争いから思想・宗教・国などの対立による争いが、絶え間なく繰り返されている。
そんな世だからこそ、外界で吹く風や、刹那的な感情の波に捉われず、一人ひとりが、だれもいない深海の宇宙へ、眼を向ける心が持てたならば。観る人それぞれが内観する機会となれば幸いです。

展示会場に暗室をつくり、5m×5m×5mの空間全体で表現している。幅5m×高さ3.6mの壁画が3面描かれている。鑑賞者は座って作品をみることができる。




空間の奥には黒い玉砂利を敷き、境界を表現している。
